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UNICORN READING LESSON 3 [1]

By admin | 7 月 11, 2008

P.24

[1]

1814年、初夏の暖かい日のことだった。若い牧師は、名前をトーマス・ギャローデットといったが、コネチカット州のハートフォードにある自宅前の階段にゆっくりと腰を下ろした。彼はちょうど繁華街からプロスペクト通りにある自宅まで歩いて帰ってきたところであった。ほんの短い距離だったが,疲れを感じた。しばらく弟や妹が他の男の子や女の子と芝生の上で鬼ごっこをして遊んでいるのを眺めていた。彼が,帽子を脱いでひざの上にのせると,彼らのように緑の芝の上を走ったらどんなに素敵だろうと思った。子供の時でさえ,彼は他の子供たちのように飛び跳ねて楽しめるほど体が丈夫ではなかった。

彼はふと,芝生の端で鬼ごっこに参加していない小さな女の子に気が付いた。彼女は8歳か9歳くらいに見え,こぎれいなピンクの服を着ていた。彼の注意を引いたのは,彼女の奇妙にぽかんとした表情であった。彼女は周囲で騒ぐ子供たちをただじっと見つめていた。そうかと言って,彼女は病気でもなさそうだった。なぜ彼女は他の子供たちと一緒に遊ばないのだろう。

p.25

トーマスは弟のテディを呼び出した。9歳のテディが階段にピョンと飛び乗ると,トーマスはピンクの服を着た小さな女の子について尋ねた。「ああ,彼女は通りの向こうのアリスだよ。コグズウェルさん家の子。」テディが言った。「彼女,耳が聞こえないんだ。聞いたり話したりできないんだ。自分の名前がアリスだっていうことも分からないんだよ。」

テディは笑っている子供たちの方へ走って戻って行った。トーマスは,アリス・コグズウェルの方へと芝生を横切って行った。途中で,かがみこんで草むらの一本の小さなすみれの花を摘んだ。それを彼女の方へ差し出した。彼女は用心して受け取ったが,トーマスが手を取り階段へと導くのを許し,二人はそこに腰を下ろした。

P.26

アリスはまぶたの上でそっとすみれの花をこすってから鼻の下に持っていった。
トーマスはアリスを見下ろした。彼女は長い,カールした金髪のかわいい女の子で、どこも悪いようには見えなかった。彼女が言葉のない静寂な監獄の中に生きていると誰が推測できただろうか。

突然,彼にアイデアがひらめいた。自分の帽子を彼女の頭にのせ,彼女に微笑んだ。彼は棒切れを拾い上げ,地面に「H A T」という文字を書いた。それから帽子を取り,直接文字の上に置いた。「始まりか,」彼は自問した。「それとも,無駄な努力か。」

P.27

アリスは,妙に甲高い音をたてて,くすくすと笑った。彼女は,トーマスからもらったすみれの花を(手に持って)振ると,彼のチョッキのポケットの中に入れた。

トーマスはもう一度この子に微笑みかけた。彼女の注意を引き,帽子を真っすぐ指し示した。それから文字を指し示した。彼は慎重に棒切れで「H A T」の文字をなぞった。それから再び帽子を指し示した。

今回はアリスは靴で階段をトントンと叩き,指を小刻みに動かした。彼女は二人でゲームをしていると考えたに違いないと,トーマスは後に記している。初めに彼がいたずらをし、それから彼女もそうした。どうやって,彼女に教えようか。

午後遅くまでに,トーマス・ギャローデットと小さなアリス・コグズウェルは仲良しになっていた。トーマスは弟や妹がいたから,子供に慣れていた。そして,からだが弱く,他の子供たちと一緒にいられなかったこともあってか,この耳の聞こえない子供に親近感が湧いた。
初め,アリスは,なぜ彼が帽子に触れ,地面に書いたものを指し示し続けたのか,不思議に思ったに違いない。

P.28

それから,アリスの不思議に思う気持ちとトーマスと一緒にいるうれしさが,「H A T」という文字と,この微笑んでいる男性が頭にかぶっている物体とのつながりを彼女が理解できるほど,広く扉を開かせたに違いない。アリスは突然帽子をひったくると地面に描かれた言葉を指し示した。彼女は,興奮して帽子を叩き,階段からぴょんと飛び降りた。

「H A T」と帽子?つながっていたのである。
地面に降りトマスはひょいとアリスを抱きかかえた。彼の疲れはどこかに行った。なんと素晴らしい日なのだ。叫びたかった。

アリスも新しい友人を見つめた。彼女は夢中でトーマスの手に棒切れを押し付け,拳で自分の肩を叩き始めた。「私は?私は?私は?」彼女は,そう言っているようであった。

トーマスはまたにっこり笑った。彼は棒切れで地面に大文字の「A」を書き始めたが,それはまさにアリス・コグズウェルの名前の最初の一文字であった。

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Topics: UNICORN READING |




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